就労移行支援

【元利用者が語る】就労移行支援のリアルな体験談|体験から退所まで全部話します

【元利用者が語る】就労移行支援のリアルな体験談|体験から退所まで全部話します
こんなことで悩んでいませんか?
  • 就労移行、本当に通って効果はあるのかな
  • 自分でも就職できるのかな…
  • 週5日通えないとダメなのかな

就労移行支援の利用を検討しているものの、実際に就職につながるのかどうかや事業所の雰囲気が分からず、最初の一歩を踏み出せずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

事業所のパンフレットや公式サイトに並ぶ成功事例だけを見ても、日々の生活リズムの整え方や周囲のリアルな就職実態まではなかなか見えてこないものです。

この記事では、心身の消耗から約10カ月通所して生活を立て直した筆者のケースをもとに、日々の訓練や周囲の就職事例、よくある疑問への本音の回答を包み隠さずお伝えします。

📑 目次

【通所のリアル】元利用者が明かす就労移行支援の全10カ月の体験談

元利用者が明かす就労移行支援の全10カ月

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスであり、就労を希望する障がい当事者に対して必要な訓練や支援を提供する公的な制度です。

出典:障害福祉サービスの内容 - 厚生労働省

就労移行支援に通うことで日々の生活や心身にどのような変化が起きるのかは、実際に通所を経験した当事者の視点でなければ見えてこない部分が多くあります。

筆者が就労移行支援に通った約10カ月の歩みと変化は、次の4つです。

約10カ月の歩みと変化のステップ
  1. 消耗した状態から見学を決める
  2. 週2日の半日から始めて朝型にする
  3. 趣味の資格を筆者のペースで学ぶ
  4. 就職と独立の葛藤を経て退所する

上記のように、無理のないペースで段階を踏みながら、心身と生活を立て直していきました。

以下では、上記4つのステップについて、可能な限り出せる情報を出しながら、本音でお話をしていきます。

【通所前〜見学】体調不良と不安の中で事業所を選んだ決め手

1当時の心境
  • 不安すら抱けないほど消耗し、普通には生きられないと痛感していた
2生活リズム
  • 退職後の3〜4カ月はほぼ寝ているだけで、外出も困難な状態だった
3事業所での過ごし方
  • 面談で共通の趣味を持つ支援員と出会い、自由な方針に救われた
4得られた変化
  • ここなら筆者にも通えるかもしれないと思い、通所を決意できた

筆者はフリーランスとして10年近く活動してきましたが、一念発起して人生初の就職をしました。

しかし、神経症、うつ病を抱えながらの一般枠での就労はうまくいかず、退職した直後、約3〜4カ月の間は起きて食べて寝るだけの生活が続き、不安を抱くことすらできないほど心身が消耗しきっていました。

「自分は普通には生きられない人間なのだ」と痛感し、それなら障がい者として生きる道を選んでもよいのではないかと考え、調べる中でたどり着いたのが就労移行支援でした。

見学当日は、事業所内の細かい記憶はおぼろげでしたが、面談の様子だけは今でも鮮明に覚えています。

電話対応をしてくださった50歳手前の女性支援員さんと共通の趣味があり、気兼ねなく話せたことで、張り詰めていた気持ちが一気に和らぎました。

何より大きな決め手となったのは、1日の4コマのうち共通講座は1コマのみで、残りの3コマは各自の自習や作業に充てられるという自由度の高い方針でした。

さらに、温かいお弁当や飲み物が無料で提供されるなど、手厚い環境が整っていたことも大きな安心材料となり、この場所なら通えるかもしれないと利用を決めました。

【通所初期:1〜3カ月】週数日から始めて朝型へ整った生活リズム

1当時の心境
  • 通い始めは強い疲労感があったが、焦らず慣らそうと割り切った
2生活リズム
  • 週2日の午前のみから開始し、帰宅後はすぐに眠ってしまう日も
3事業所での過ごし方
  • 無理のないペースで通い続け、体調を見ながら週3日〜4日へ増やした
4得られた変化
  • 約10年続いた夜型生活が朝7時起床のリズムへ自然に固定された

通所を開始した当初は、事業所からの提案もあり、週2日の午前中だけ通うスモールスタートを選択しました。

公的な制度概要においても、最初から週5日の通所が義務づけられているわけではなく、本人の状態に応じた柔軟な利用計画が認められています。

出典:就労移行支援事業等における留意事項 - 厚生労働省

午前中だけの通所であっても、最初の1カ月から2カ月は心身にかかる負担が大きく、帰宅すると泥のように深く眠る日も結構ありましたね。

しかし、体調を崩さないよう無理のないペースで通い続け、週3日から4日へと日数を増やしていくにつれて、生活リズムに劇的な変化が訪れました。

約10年にわたって深夜1時から3時に就寝し、午前10時から11時に起床していた夜型の生活が、朝7時起床、22時就寝のリズムへと自然に固定されていきました。

生活リズム改善の推移
1通所前
  • 深夜1〜3時に就寝し午前10〜11時に起きる夜型生活
2通所初期(1〜3カ月)
  • 週2日の午前のみから開始し帰宅後は深く眠る日々
3通所中期(4〜7カ月)
  • 週3〜4日へ拡大し朝7時起きと22〜23時就寝が定着

無理に朝起きようと焦るのではなく、外に出る用事を生活に組み込むことで、体内時計が自然と社会的なリズムへ整っていったイメージですね。

結局、ここで身についた生活リズムが、退所しフリーランスとして働いている現在も続いているので、これだけでも通った意味があったなと振り返っています。

【通所中期:4〜7カ月】資格取得と将来のビジョンを描いた自習の日々

1当時の心境
  • 体調が安定して心のゆとりが生まれ、前向きな意欲が湧いてきた
2生活リズム
  • 9時30分の到着から15時の帰宅までの日課が定着していた
3事業所での過ごし方
  • 趣味の延長となる資格学習や所内作業に励み、周囲と適度な距離を保った
4得られた変化
  • 集中力と体力が大幅に回復し、自習を通じて自信を取り戻していった

通所を開始して4カ月から7カ月が経つ中期に入ると、体調の波が落ち着き、自分の興味や関心に向き合う心のゆとりが生まれてきました。

就労移行支援では利用者の適性や目標に応じた訓練が行われますが、「1日1コマ以外は基本的に自由」という環境を活かし、自習コマの多くを以前から学びたかった趣味の資格学習に充てることができました。

担当の支援員さんからも受験を後押ししていただき、事業所が設けていた資格受験費用の助成制度を活用したことで、わずか数千円の自己負担で資格取得できたのは今考えるとすごいことですよね。

なお、事業所での基本的な1日のタイムスケジュールは、次のとおりです。

1日のタイムスケジュール
  • 9時30分:到着とラジオ体操
  • 10時00分:午前の訓練と自習
  • 12時00分:昼休憩と歯磨き、雑談
  • 13時00分:午後の作業と自習
  • 15時00分:1日の終了と帰宅

ペースを崩さずに落ち着いて取り組める日課が、自然と確立されていきました。

お昼休みは提供されるお弁当を食べながら一人で動画を見て静かに過ごし、シンクで歯磨きをする際に居合わせた支援員さんと軽く雑談を交わすなど、無理のない心地よい距離感を保っていました。

事業所内の人間関係も手探りではありましたが、互いに事情を抱えているからこそ、過度に干渉し合わない適度な安心感があったのも心地よかったですね。

当事者の体験談
Rui
所長の存在が居心地を左右する

事業所の居心地や雰囲気は、トップである所長の方針やマネジメントによって大きく左右されると実感しました。

筆者が通っていた事業所の所長は、福祉特有の過度なお人好しではなく、ダメなものはダメ、良いものは良いと適切に線引きできる方でした。

規律がしっかり保たれていたからこそ、利用者同士の過度な干渉やトラブルもなく、誰もが安心して自分のペースで過ごせる環境が守られていました。

【通所後期〜退所:8〜10カ月】生じた葛藤とフリーランスへの決断

1当時の心境
  • 独立したい本音と就職すべきという合理性の間で激しく葛藤した
2生活リズム
  • 心身の基盤が整い、次の活動へ向けてエネルギーが満ちていた
3事業所での過ごし方
  • 辞め時を意識しながら、三者面談で支援員と将来の方向性を相談した
4得られた変化
  • 約10カ月の通所が役割を終えたと納得し、前向きな退所を決断できた

通所を始めて4カ月から5カ月が経過した頃には、生活リズムや基礎体力がすっかり回復し、次の段階へ進むための十分な余力が戻ってきました。

「ここまで元気なのはほんと何年ぶりだろう、下手したら10年以上ぶりかも」

って言えるくらい、エネルギーに満ち満ちていた感じがあったので、こんな感覚が得られるとは通所前は思ってもみませんでした。

心身が回復したからこそ芽生えたのが、「もう一度フリーランスとして挑戦したいという本音」と、「合理的に考えれば企業へ就職したほうが安定するという理性」との激しいせめぎ合いでした。

支援員さんや関係者との三者面談を通じて筆者の正直な気持ちを打ち明け、就職活動へ進むのではなく、フリーランスへ再挑戦する道を選択することに。

2026年8月31日をもって約10カ月間の通所を終えましたが、生活の土台を整え直せたからこそ、後悔のない納得のいく退所を決断できました。

【周囲の実態】就労移行支援の通所で見てきた「他の利用者の就職」体験談4選

通所現場で見てきた「他の利用者の就職」4選

就労移行支援を検討する際、同じような境遇の人が本当に就職できているのかという実態は、最も気になる要素の一つです。

筆者が通所中に同じ事業所で見てきた利用者の就職事例は、次の4つです。

通所現場で見てきた4つの就職事例
  • 入院を経て大手特例子会社へ就職
  • 無職状態から建設業の事務へ就職
  • てんかんを抱えながら大手特例子会社へ就職
  • 自由型を活かして半年で早期就職

それぞれの背景や障がい特性に応じた、多様な就職ルートが存在しています。

障がい者雇用には、一般企業の障がい者枠だけでなく、障がい者の雇用に特別な配慮を行う特例子会社制度などがあり、利用者の適性に応じた雇用環境が整備されています。

出典:障害者雇用促進法に基づく障害者雇用率制度 - 厚生労働省

事例①(20代女性・うつ病):入院生活から超大手特例子会社へ就職

1通所前の状態
  • 精神疾患により約2年間の入院生活を経験し、心身が消耗していた
2通所期間とペース
  • 制度の上限である2年間を活用して、着実にリハビリを進めた
3事業所での取り組み
  • 非常に丁寧で正確な作業を行い、周囲への細やかな気配りを発揮した
4就職先と決め手
  • 誠実な仕事ぶりと安定した通所実績が評価され、大手特例子会社への就職が決まった

20代後半の女性Aさんは、通所前に体調を大きく崩して約2年間の入院生活を経験し、精神障がい当事者として再起を目指して通所されていました。

事業所内のグループワークでご一緒する機会が多くありましたが、コミュニケーションは少し控えめながらも、非常に誠実で、任された作業をどこまでも丁寧にこなす姿が印象的でした。

制度の利用上限である2年間をじっくりと活用し、生活リズムと体調の波をコントロールするためのリハビリを着実に重ねていかれました。

その真面目で正確な仕事ぶりと安定した通所実績が高く評価され、最終的に誰もが知る業界最大手企業の特例子会社への就職を実現されました。

重い症状や長期入院を経験した方であっても、時間をかけて環境を整えれば、安定した就労環境へ進めることを示してくれた事例でした。

ワンポイント解説
特例子会社とは?(一般就労との違い)
1設立の目的

障がい者の雇用促進と職場定着を目的に、親会社の特別な配慮のもとで設立される公的な子会社です。

2サポート体制

障がい特性に配慮された業務設計や専任の指導員が配置され、体調に合わせた無理のない働き方が整っています。

3企業のメリット

親会社グループ全体の法定雇用率に算定されるため、大手企業を中心に積極的な設立・採用が進んでいます。

Rui
Rui

通所仲間で特例子会社へ就職された方は、大手グループの安定した福利厚生のもとで、体調の波にも理解を得ながらイキイキと働かれていました。

「一般企業の給与や待遇」と「福祉的な安心感」の良いとこ取りができるため、焦らず長く安定して働き続けたい方には非常に心強い選択肢だと実感しています。

事例②(30代女性・手帳なし):引きこもりから体力をつけ建設会社の事務職へ

1通所前の状態
  • 長期にわたり引きこもりや無職の状態が続き、社会復帰に不安があった
2通所期間とペース
  • 焦らず本人の通所ペースを守りながら、地道に通所を継続した
3事業所での取り組み
  • パソコン作業や事務スキルの個別自習を毎日黙々と積み重ねた
4就職先と決め手
  • 真面目な人柄と着実な事務スキルが合致し、建設業の事務職への就職が決まった

女性Bさんは、通所を始める前は長期間にわたって自宅に引きこもり、無職の状態で外出もままならない日々を過ごされていました。

社会復帰に対して強い不安を抱えておられましたが、事業所では他者と無理に群れることなく、パソコンを使った事務スキルの学習に毎日黙々と打ち込んでおられました。

自習主体の環境の中でタイピングやデータ入力などの基礎を地道に固め、通所日数も少しずつ安定させていきました。

その真面目で落ち着いた人柄と着実な作業能力が評価され、地域に根ざした建設業の事務職に就職されました。

長期のブランクや社会的な孤立を抱えていても、本人に合ったペースでスキルを積み上げれば、一般就労への復帰は十分に可能であることを示してくれた事例です。

事例③(20代男性・てんかん):コミュニケーションの課題を越えて有名特例子会社へ

1通所前の状態
  • てんかん発作への不安を抱え、体調管理と就労の両立に悩んでいた
2通所期間とペース
  • 発作時の配慮事項を整理しながら、安定した通所リズムを維持した
3事業所での取り組み
  • グループワークなどで周囲と協力し、自身の特性と対処法を把握した
4就職先と決め手
  • 職場定着支援の活用と配慮事項の明確化が実を結び、大手特例子会社への就職が決まった

男性Cさんは、てんかんという持病を抱えており、いつ発作が起きるか分からないという不安と向き合いながら通所を続けられていました。

事業所ではスタッフと相談を重ねながら、発作が起きた際の対応手順や必要な配慮事項を客観的に言語化する訓練に注力されていました。

グループワークでも周囲のメンバーと前向きに協力し、自身の疾患の特性を冷静に受け止めて管理できる姿勢を身につけていかれました。

事業所のサポートを得て自身の配慮事項を明確に提示できたことが決め手となり、誰もが知る大手企業の特例子会社への就職を果たされました。

就職後も就労定着支援事業などを活用しながら、体調に配慮された環境で安定した勤務を継続されています。

ワンポイント解説
就労定着支援とは?(就職後の安心サポート)
1支援の期間

就職後も最長3年間にわたり、事業所の支援員が職場定着を継続してバックアップする公的制度です。

2具体的なサポート

支援員が企業と利用者の間に入り、定期面談や業務量の調整、体調管理の相談を代行・調整してくれます。

3利用のメリット

職場で直接言いにくい悩みや体調の波も、一人で抱え込まずに早期解決できるため、離職を未然に防げます。

Rui
Rui

就職が決まった直後は「職場に馴染めるか」「体調を崩したらどうしよう」と誰でも大きな不安を感じるものです。

定着支援があれば、困ったときにすぐ相談できる専門スタッフが外に控えていてくれるので、「受かった後も味方がいる」という安心感を持って働くことができます。

事例④(20代男性・一般枠):自由型を最大限に活かして半年でスピード就職

1通所前の状態
  • 就職への意欲が明確で、本人に必要な訓練へ集中したいという希望があった
2通所期間とペース
  • 約半年という短期間で集中的に通所し、早期就職を目指した
3事業所での取り組み
  • 自由型の環境を最大限に活用し、自習を中心に必要な課題へ取り組んだ
4就職先と決め手
  • 自主的な訓練と事業所環境の相乗効果により、一般就労への早期就職が決まった

20代の男性Dさんは、通所開始の段階から就労への明確な意欲を持っており、本人に必要なスキルの習得に集中できる環境を求めていました。

カリキュラムが厳密に固定された管理型の事業所ではなく、自習時間を幅広く使える自由型の特徴を最大限に活かして、訓練に没頭されていました。

求人票の選定や応募書類の作成、面接対策を集中的に進め、通所開始からわずか半年ほどで就職を決定されました。

就労移行支援は2年間通い切ることが目的ではなく、本人の準備が整えば、早期に就職して次の段階へ進むことが本来のあり方です。

自立した学習姿勢と事業所の柔軟な支援方針がかみ合えば、短期間での早期就職も十分に実現できることを示す事例でした。

ワンポイント解説
自由型と管理型の違い(筆者の独自基準)
1自由型(自習主体)

自由型は自習が中心で、自分のペースや必要な訓練課題(IT・資格等)に特化して集中できる環境です。主体的にスキルを伸ばしたい人に向いています。

2管理型(固定時間割)

管理型は時間割やカリキュラムが一律で固定されており、グループワークなどを通じて生活リズムの矯正や基礎の定着から始めたい人に適しています。

3選択の基準

どちらが優れているかではなく、今の自分の体調や学習スタイルに合うかが最も大切な判断基準になります。

Rui
Rui

筆者の場合は、自分でずっとフリーランスとしてやってきたという経験上、「自分で考えて行動したい」「逆に時間割で縛られたくない」という感じが強かったので、自由型の事業所を見つけられてすごく良かったです。

どちらがいいかは人それぞれなので、見学時に実際の雰囲気を見極めて、自分に合った事業所を見つけてみてください。

【本音で回答】就労移行支援の体験談から答える一問一答12選

就労移行支援の利用を検討するにあたって、制度上の説明だけでは分からない、実際に通った人の本音に関する疑問は尽きないものです。

読者から多く寄せられる疑問や不安のテーマは、主に次の3つに分類されます。

  • 通所の頻度や日常の人間関係
  • 利用料金や交通費の経済的負担
  • 障がい者手帳の有無や進路選択

気になる項目から、疑問への回答を確認してみてください。

通って本当によかったですか?

結論から申し上げると、筆者自身は就労移行支援に通って本当によかったと心から実感しています。

就職という結果そのもの以上に、10年近く崩れていた夜型の生活リズムを朝型へと立て直し、社会生活を送るための基礎体力を取り戻せたことが、何よりの財産になりました。

最初から週5日通えないとダメですか?

最初から週5日通う必要はまったくありません。

筆者自身も最初は週2日の午前中だけからスタートし、体調を見ながら徐々に日数を増やしていきました。

無理に毎日通おうとして倒れてしまうよりも、継続できる少ない日数から始めることが大切です。

他の利用者との人間関係で疲れることはありませんでしたか?

事業所の人間関係は決して悪くありませんでしたが、誰もが何らかの事情や生きづらさを抱えているため、互いに手探りで適度な距離感を保っていました。

無理に仲良くなろうと気負う必要はなく、静かに一人で過ごしたい方は、そのように過ごせる空気感がありました。

就職せずに途中で辞めるのはアリですか?

通所の途中で辞めることはまったく問題ありませんし、実際に途中で退所を選ぶ方も少なくありません。

当事者の体験談
Rui
退所は次の道へ進むための選択

就労移行支援を途中で辞めることに対して、罪悪感や後ろめたさを感じる必要はまったくありません。

筆者自身、企業への就職ではなくフリーランスへの再挑戦を選んで退所しましたが、通所を通じて生活リズムを立て直せたからこそ下せた前向きな決断でした。

目的を果たしたなら、本人に合ったタイミングで次の道へ進んでよいのです。

どんな年齢層や雰囲気の人が通っていましたか?

筆者が通っていた事業所では、男女比はほぼ半々で、年齢層は20代から30代の方が中心でした。

活発に対話を楽しむというよりは、一人ひとりが各自の課題や自習に真面目に向き合っている、物静かな方が多い印象でした。

通所中にかかった費用(利用料や交通費)はどれくらいでしたか?

就労移行支援の利用料金は、前年の世帯所得に応じて公的な負担上限月額が定められており、利用者の多くは自己負担なしで利用しています。

出典:障害福祉サービスの利用者負担 - 厚生労働省

筆者自身の実体験における費用の内訳は、次のとおりです。

通所にかかる実質費用の内訳
1利用料
  • 筆者の場合は自己負担なし
  • 多くの利用者が無料で利用可能
  • 前年の世帯所得に応じて上限が決定
2交通費
  • ガソリン代と駐車場代で月約1万円
  • 自治体によっては交通費助成あり
  • 通所にかかる最大の自己負担項目
3昼食代
  • 事業所の無料お弁当支給を活用
  • 自己負担なしで温かい昼食を確保
  • 事業所選びの大きな安心材料
4資格受験費
  • 事業所の費用助成制度を活用
  • 数千円の自己負担のみで受験可能
  • 自己負担を大幅に抑えて挑戦可能

事業所までの通所交通費については、自治体によって助成制度の有無が異なるため、事前にお住まいの自治体窓口へ確認することをおすすめします。

通いながらアルバイトや副業はできますか?

就労移行支援は一般就労への移行を目的とした制度であるため、通所中の就労やアルバイトは原則として制限されています。

ただし、自治体によっては生活維持や移行準備のため、一定の条件下で認められる場合もあります。

筆者の場合は、通所開始時にクライアントワークの報酬受け取りを一時停止して通所に専念したため、副収入や就労の継続を希望する場合は、必ず自治体や事業所に事前相談してください。

資格の勉強は自分のペースでできましたか?

自由度の高い自習型の事業所であれば、目指す職種や希望に合わせた資格学習を、各利用者のペースで進めることが可能です。

一方で、全員が一律のカリキュラムに取り組む管理型の事業所では、自習が制限される場合もあるため、見学時に自習の自由度を確認しておくことが重要です。

スタッフ(支援員)とはどんな距離感でしたか?

支援員さんとは、近すぎず遠すぎない、ほどよくビジネスライクな距離感を保つことができました。

日常的な体調の相談や雑談は気兼ねなくできましたが、互いのプライベートに過度に踏み込まない、自立した関係性でした。

体調を崩して休みたい時はスムーズに休めましたか?

体調が優れない日は、当日の朝にメールで連絡を入れるだけで、スムーズに休むことができました。

無理に出席を強要されたり、休んだことを責められたりするような空気は一切ありませんでした。

診断や障害者手帳がなくても利用できますか?

就労移行支援は、障がい者手帳を持っていなくても、医師の診断書や自立支援医療受給者証などがあれば、自治体の判断によって受給者証が交付され、利用できる場合があります。

出典:サービス利用の手続き - 厚生労働省

筆者自身も通所を開始した当初は手帳を持っておらず、自立支援医療を利用して通所を開始し、通所の途中で手帳を取得しました。

約10カ月の通所生活で一番しんどかったことは何ですか?

最も精神的にしんどかったのは、事業所内の人間関係や日々の訓練ではなく、筆者自身の回復が進んだからこそ生じた進路の激しい葛藤でした。

体調や生活リズムが回復したことで「もう一度フリーランスとして挑戦したい」という強い思いが湧き上がる一方で、「合理的に考えれば就職した方が安定する」という世間体や理性との間で激しく揺れ動きました。

回復したからこその贅沢な悩みではありましたが、自分の将来をどちらに決断すべきか、支援員さんとの面談を重ねながら悩み抜いた時期が通所生活で最もエネルギーを消耗しました。

まとめ:就労移行支援の体験談を通して伝えたい、人生の再スタートへ

体験談を通して伝えたい人生の再スタート

就労移行支援は、単に就職活動の技術を学ぶだけの場所ではなく、傷ついた心身を休め、生活の基盤を整え直すための貴重なリハビリの場でもあります。

就労移行支援の体験談を通じて伝えたい大切なポイントは、次の3つです。

  • 無理のない週2日からの再出発
  • 本人の状態に合った事業所選び
  • こころのままに進む次への一歩

焦らず、ご自身のペースで少しずつ進んでいきましょう。

必ずしも2年間すべて通う必要はありませんし、企業へ就職することだけが唯一の正解というわけでもありません。

週2日の半日からでも外に出て生活リズムを整え、筆者自身の本音と向き合えたことが、筆者にとって人生を立て直すための決定的な転換点となりました。

今の生活や将来に不安を抱えている方は、まずは見学相談から、ご自身のこころのままに次の一歩を踏み出してみてください。